書籍・雑誌

2013年8月15日 (木)

忍者戦都ダンジョン編と半沢直樹の原点と

休み中の読書3冊。2013年直木賞候補作になる前、MM9の3冊目と同時に購入して積読だった『ヨハネスブルグの天使たち』は『盤上の夜』の宮内悠介の新作。着想は面白いんだが、帯に伊藤計劃の名前を出すことで期待を持ちすぎた。電子機器の落下耐久試験をネタの一つに出してきたことは、メーカー関係として苦笑した。実際、日本製品は過酷な試験してるので、市場に出る物は壊れにくいけど。一編一編の掘り下げ方に物足りなさを感じた。主要登場人物が信条を尋ねられて口から出任せで「努力、友情、勝利」と答える場面が笑えた。案外、ジャンプ世代はそうかも。

武内涼『戦都の陰陽師 迷宮城編 』は戦国時代の忍者&陰陽師対妖怪のシリーズ3作目。日本ホラー大賞最終選考の『忍びの森』(角川ホラー文庫)でデビューしたとはいえ、ホラーというサブジャンルに括られることで損をしているような。地味な情報収集あり、忍者VS忍者のバトルあり、忍者&陰陽師VS妖怪の退魔シーンあり。正統派の忍者アクション小説である。シノビガミの古流に土御門があるのは、この小説のせいかも。敵は松永弾正と果心居士という大物。信貴山城の地下迷宮攻略。そしてクライマックスは、神級の魔物との決戦。忍者ファンなら見逃せない作品。

今、ドラマ『半沢直樹』が大ヒットしている池井戸潤の小説3冊を妹から貸されたので、とりあえずデビュー作から。略歴によると、福井晴敏と同時に江戸川乱歩賞を受賞している。正直、あまり興味を持っていなかったのだが、この受賞歴だけで興味度が上昇。第44回江戸川乱歩賞受賞作品『果つる底なき』は文句なしに面白かった。『Twelve Y.O.』と肩を並べたのも頷ける。銀行員が主人公で、融資にかかわる事件。銀行内部の政治と派閥争い、内部の敵。終わってみれば、ミステリーらしく犠牲者が多かったり、主人公が元アメフト部という設定でアクションシーンでも活躍したりするが、許容範囲。デビュー作ということで『半沢直樹』の原点を見た。

そういえば『半沢直樹』第5話でも、逆上した東田を制する剣道経験者の設定をいかす活劇シーンがあったなあ。自分も一応初段やけど、ああいうムーブは難しいだろうな。

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